診断基準であるDSM-5では、うつ病・持続性抑うつ障害(気分変調症)躁うつ病などは感情や認知・自律神経機能に明らかな変化が生じ、生きていく上で大きな影響を及ぼすものとされています。
不安・怒り・恐怖・悲しみ・驚き・喜びなどの感情のコントロールができなくなると、日常的に行えていた行為やコミュニケーションができなくなり、社会生活・対人関係が困難となってしまいます。
発症する原因は多岐にわたり、社会生活おける様々なストレスに対する耐性(脆弱性)や、脳内の神経伝達物質(脳内ホルモン)が上手く機能しなくなった状態であると言われており、症状の出現にも個人差があります。
ある出来事を、個人がどのように受け取り感じるか、またそれに対しての脳内の処理(反応)がどの様なものかによって、症状として現れるかどうかも異なりますが、元々の神経伝達物質の量や伝達におけるバランスが悪ければ、症状も出現しやすいと考えられます。
神経伝達物質(脳内ホルモン)とは何か
外界から受ける刺激(身体的・心理的)に対して脳に必要な情報を伝え、刺激から自身を守るために脳が正常に働くように促す物質です。不足したり過剰であると、心身の不調が生じ易くなるとされています。
神経伝達物質の中でうつ病に深く関連しているのが、主にセロトニン・ドパミン・ノルアドレナリンです。
代表的な作用 として
・ドーパミン:楽しみや喜びに作用、減少により楽しみの喪失
・ノルアドレナリン:意欲・関心・興味に作用、減少により意欲の低下や興味関心の消失
・セロトニン:不安や緊張を抑制することで、幸せな気分にする、減少により衝動性・緊張・焦燥感の出現
セロトニンとノルアドレナリンの不足により不安感の増強。セロトニンとドパミンの不足から性欲・食欲の減退 。ノルアドレナリンとドパミンの不足から活動性の低下 。これらすべてにおいてバランスが崩れることで、気分・情動・認知・思考に影響を与え、様々な心身症状として見られます。
これらの辛い状況が2週間以上続く場合は、早めに受診をしましょう。